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2019年12月25日

マニュアル車の安全性について

昨日、国交省より2022年11月以降の国産自動車の新モデルから衝突軽減ブレーキの装備を段階的に義務付ける国内基準を策定する旨の発表がありました。

ちなみに輸入車におきましては、2024年6月以降の新型車、継続生産モデルは2026年6月にそれぞれ義務付ける方向で検討が進んでおります。

衝突軽減ブレーキとは?

各メーカーによっての呼称は様々ですが、大きな機能で言うと、「自動ブレーキ」、「ペダル踏み間違い加速抑制装置」のような前方および後方における車や人、障害物などへの衝突を回避もしくは、衝突を軽減する為の機能でございます。

ですが、これは各社で若干のバラツキはありますが、一定の条件下の元で作動するものであって、あくまでも運転支援・サポートであるということを運転者は忘れてはいけません。

高齢化社会における交通事故問題

近年、高齢者における「アクセルとブレーキの踏み間違い」の事故等で悲しいニュースを見たり聞いたりすることが非常に多くなりました。

今回の政府の発表は、そのような事故防止対策の一環として、官民をあげて普及に取り組んでいくことの表れです。

今ある技術や物での解決策はないのか?

新たな技術開発や発展は、人類の安心・安全を求める上では必要であるとは思いますが、はたして今ある技術や物でそのようなことを少しでも防げる手段や方法は無いのか?というと、私はそうでは無いと考えております。

鳥取環境大学 情報システム学科 鷲野翔一先生の研究において、オートマチック車(AT車)とマニュアル車(MT車)の事故比率比較のデータがあり、車百台あたりの事故数では、AT車は約2%、MT車は約1.25%という結果となっており、AT車はMT車の約2倍に近い事故を起こしているということが分かりました。

その結果は以下のグラフとなります。

何故マニュアル車の方が事故率が少ないのか?

まずは事故の種類別のデータを見ていただきたいのですが、

事故件数が突出しているのは、「追突」「出会いがしら衝突」「右折時衝突」「左折時衝突」「正面衝突」となり、「正面衝突」ではAT車とMT車との差はほとんどありません。

このことから、一時停止や減速を必要とする状況下においては、MT車の方が圧倒的に事故率が低いということが分かります。

では何故MT車の方が事故が少ないのか?というと、

1.アクセル・クラッチ・ブレーキの3つのペダルを上手く使わないと運転できない(運転が難しい)為、運転に集中をするから

2.ブレーキを離してアクセルを踏んだだけでは前進・後退をすることが出来ないから

というMT車における構造的な理由が考えられ、AT車運転時よりも単純に「運転に集中出来る・集中しなくてはならない」環境であるからだということです。

何故、私がマニュアル車を推奨するのか

私は、この車業界に入ってから自家用車としてはMT車以外は所有したことが無く、もちろん今でもMT車を好んで乗っております。

そもそもは、車屋なのにMT車を上手く乗れないなんて格好悪いなぁと思ったことがきっかけではありましたが、自分で所有・運転することによってMT車の楽しさを知り、尚且つMT車を所有してからは、今現在まで1度も事故を起こしたことがありません。

AT車所有時代には、頻繁に事故を起こしてしまっていた自分が嘘のように、MT車では全く事故を起こさなくなりました。

これは私、自らの体験談ですから自信を持って発信しております。

その為、私事ではありますが、妻からもMT車以外は所有しないで欲しいと懇願されており、忠実に守っておりますw

運転が難しいくらいがちょうどいいんです

悲しい事故のニュースを見たり聞いたりしていますと、こぞってコメンテーターの方が「車は凶器です。ドライバーは凶器を運転していることを自覚しないとだめだ」と声高高にコメントをしております。

私も車は凶器だと思っておりますが、凶器なのであれば、それを扱う・運転する人の技術もそれ相応に高くなくてはならないのではないでしょうか?

車は年々進化を遂げており、完全自動運転まであと一歩の時代まで来ておりますが、運転者の技術においてはAT限定免許が認可されてから、車の性能向上や安全運転支援技術が向上してからは、誰でも簡単に免許が取得出来るような環境の元、低下する一方ではないかと私は考えております。

日本における販売台数のデータによりますと、AT車98.5%、MT車1.5%と、MT車は2%にも満たない台数しか発売されておりませんし、各メーカーでは需要が見込めないMT車は、生産中止・廃盤の道をたどり絶滅危惧種になりつつあります。

飲酒運転や、ながら運転等の罰則が厳しくなることは一定の抑止効果があるので良いことですし、もっと厳しい罰則を設けてもいいくらいだと思いますが、それでも被害にあわれたの方やそのご家族・ご親族の方の思いは計り知れません。

私は自動車業界に身を置く者として、MT車はAT車よりも事故を起こさない・起こしにくいという明確なデータが出ているのですから、原点回帰でMT車の普及活動に取り組んで行きたいと考えております。

尚、当店では輸入車ではありますが、他社様よりも多くのMT車を取り揃えておりますし、必要であれば運転技術もお教えさせていただいております。

1人でも多くの方がMT車に乗っていただくことで、1台でも交通事故を防ぐことが出来たら、被害にあわれて悲しい思いをする方が減ってくれたらと日々願っております。