先日のポルシェのブログに引き続きなのですが、ご納車をさせていただきましたお客様から、「ブレーキ鳴きがひどいのでどうにかならないか?」とご相談をお受けいたしました。
前回の低速時のゴリゴリ音と一緒なのですが、この症状も不具合ではなく構造上起こるものでございまして、ノイズをゼロにすることは不可能かと考えます。
尚、ブレーキパットやブレーキローター、ブレーキキャリパーまで社外品等に交換すれば改善はするかと思いますが、それでは世界一と称されるポルシェのブレーキではなくなってしまうので、それは非常にもったいない選択です。
ポルシェ社が「ブレーキ鳴きは不具合ではない」ことをYoutubeにて動画をアップしております
Youtube URL : https://www.youtube.com/watch?v=fUNHb9O52WQ#action=share
ポルシェのディーラーマンからも良く耳にすることなのですが、新車時にも同様の相談やクレーム?が多く寄せられているようで、ポルシェはメーカーとして、その仕組みとノイズの発生原因を動画にて説明しておりますのでご確認ください。
ポルシェのブレーキは世界一と言われています
車好きな方であれば一度は聞いたことのあるフレーズかと思いますが、これは迷信でも噂でもなく、そう言われても過言ではない性能が備わっている、ということに他なりません。
ポルシェでは、サーキット等の超高速走行時でも、街中の低速走行時でも、いかなる状況でブレーキを踏んでも、変わらぬブレーキ性能が発揮できるよう開発設計されており、その為、ブレーキパッドとブレーキローターの接触面を可能な限り広くし、摩擦を大きくすることで、いつでも安全に停車できるようになっています。
また、接触温度が広範囲に渡っても高い摩擦レベルを維持するために、高品質なブレーキローターやブレーキパッドが使われています。
しかし、接触面が大きく摩擦レベルが高くなればなるほど「スティックスリップ現象」が発生しやすくなります。
スティックスリップ現象とは
「摩擦面に生じる微視的な摩擦面の付着、滑りの繰り返しによって自励振動が引き起こされる現象」なのですが、この振動がノイズの発生源と言えるので、根本的な改善にはポルシェほどの高性能なブレーキパッドやブレーキーローターは取り付けない、ということしか方法が無いということを意味しております。
ポルシェ車におけるブレーキ鳴きは、ブレーキが高性能の証です
前回のゴリゴリ音と同じような締めくくりとなってしまいますが、ポルシェ車においてのブレーキ鳴きにつきましては、それが高性能・高品質であるが故に発生してしまうこととなりますので、周りの目など気にせずにポルシェの性能を十分に味わっていただくことこそが何よりかと思います。
余談ではありますが、ポルシェ以外のお車でも欧州車の場合は、少なからず同様のブレーキ鳴きは発生いたします。
国産車やファミリーカーと比較してはダメですよ。
それこそ、そもそものストッピングパワーから何から基本的な性能自体が違うお車なのですから。