お客様から欧州車、ドイツ車の足回り(サスペンション)が固いというご指摘をよく受けます。
特に日本車と比較をされることが多く、その度にご説明をさせていただいておりますが、その理由を説明いたします。
欧州車(ドイツ車)が固く、日本車が柔らかい
ちなみに足回りが固いとはどのようなことなのか確認をしていきたいと思います。
サスペンションの構造や強度にはよりコストをかける欧州車では、サスペンションのストロークが長く路面への反応が早い固めのコイルを使用することで、路面状況をダイレクトにサスペンションが拾い、路面に吸い付くような仕上がりとなっております。
また、サスペンションや操舵パーツの取付においてもボディに直接取り付けるのではなく、頑丈なサブフレームを追加し、そこに取り付けることで高速域においても高い安定性を保持しております。
しかし、日本車におきましては、設計段階から乗り心地を重視している為、サスペンション自体も軽く路面状況や段差の衝撃も感じさせないように作られています。
その為、欧州車と比較されると、コーナー時やブレーキ時に車体が揺れるや傾く等と感じられる方が多いのも事実です。
なぜ欧州車(ドイツ車)は足回りが固いのか?
その理由としては、ズバリ、高速走行時の安定性を日本より重要視しているからです。
ドイツでは世界的にも有名なアウトバーンという高速道路において速度無制限区間が存在していて、時速150kmでも300kmでも走行することが出来ます。
その高速走行状況においても、シッカリと曲がれる、止まれる性能が備わっている車であることが大前提なのです。
そのような車の作りでなければ、そもそもアウトバーンでの速度無制限区間が存在できるはずがありません。
日本とは運転環境が違います
前述の通り、欧州、特にドイツと日本ではそもそもの運転速度の違いから、足回りの違いが生まれています。
日本車は100km基準でドイツ車は200km基準、と言っても言い過ぎではないくらいです。
その基準速度からでも曲がれる、止まれる車と言ったら必然的に足回りが固めで高性能でなくてはならない、ということです。
なので、ブレーキにおきましてもより高性能なものが備わっていることがほとんどです。
決して日本車の足回りがダメだと言っているわけではないのですが、ドイツメーカーがドイツにおける運転環境をクリアする為にそのような作りとなった、ということです。
それが、ドライバーや同乗者の安全にも繋がる、ということです。
日本においてもドイツ車で高速走行をしていただければ、その違いや、良さを実感いただけると確信しております。